CDSスプレッドとは!?各国のCDSのスプレッドの特徴や推移を徹底解説

CDSは信用リスクを移転する取引の一種であり、クレジットデリバティブの代表的な商品がCDSです。

CDSは「クレジット・デフォルト・スワップ」の略になります。

債権者が債権を持ち続けて信用リスクを回避する手段として、保証人・金融保険・クレジットデリバディブなどがありますが、CDSはその中でも流動性が低く利便性の高いヘッジ手段です。

CDSの保証料率を“スプレッド”と言い、CDS市場は日々、これらのCDSの保証料率を巡ってCDSが売り買いされるためのスプレッドが需要に伴って変動しています。

FX専業トレーダーはあまり馴染みのない言葉ですが、投資の1つとして知っておいて損はありません。

今回はCDSの仕組みやスプレッドについて解説していきます。

CDSの特徴

そもそも、CDSとはどんな商品なのでしょうか?

例えば、投資家Aと投資家Bの2人がいるとします。

投資家AがY社社債の信用リスクを移転し、信用リスク移転の対価としてプレミアムを支払います。

投資家Aはクレジットに対して、買いポジションを持つわけです。

一方、投資家BはY社社債に信用事由が発生した場合の損失負担を保証します。

投資家Bはクレジットに対して、売りポジションを持つわけです。

この状態でクレジットイベントが発生した際、投資家AはY社に関する債権を受け渡し、投資家Bは元本相当額を支払います。

CDS取引は店頭デリバディブの一種ですが、取引当事者は相対で条件を交渉して取引を締結させます

CDS取引の目的

CDSの取引には全部で3つの目的があります。

以下の表に目的ごとの概要をまとめています。

ヘッジ目的

CDS取引をヘッジ目的でするのは、銀行が融資債務者の信用リスクをヘッジする場合や、社債投資家が発行体の信用リスクをヘッジするケースです。

例えば、ある組織に対して貸付債権などを有している銀行がCDS取引でプロテクションを購入することで、貸し倒れのリスクを減らせます。

投資目的

社債に比べて発行会社のクレジットが上乗せされるため、同じ企業の社債よりも利回りが高くなります。

信用リスクを取ってリターンを得る投資としても有効で、CDSに留まらずクレジット・リンク債への投資の形を取るケースもあります。

トレーディング目的

CDSはトレーディング目的として行なわれる場合も多く、信用リスクのトレーディングやアービトラージを行います。

初期投資が不要なスワップ形式であり、レバレッジを使ったトレードができるのも特長です。

終了日までの持ち切りは前提としておらず、純粋に安く買って高く売ることを目指します。

このように、CDSはさまざまな目的で行われています。

CDS取引が急速に拡大している理由

新しい投資の形として注目されているCDSですが、どのような理由で注目されているのでしょうか?

CDS取引が急速に拡大しているのは、CDSを用いることによって社債に対するクレジット・エクスポージャーの管理がカスタマイズしやすくなったことがあります。

運用者の意図するリスクポジションが取りやすくなる利便性の向上もあります。

また、近年はFX、仮想通貨、CFDなど、さまざまな投資が普及しています。

その流れに乗ってCDSも新しい形の投資として注目されるようになりました。

社債取引とCDS取引の違い

CDS取引では、クレジットイベント発生時の決済方法は各CDS契約によって規定されており、主流となっているオークション決済以外にも現物決済の方法があります。

現物決済の場合、プロテクションの売り手は想定元本の現金をプロテクションの買い手に支払い、デフォルトしたX者の社籍を受け取る形です。

では、社債取引とCDS取引にはどのような違いがあるのでしょうか?

以下の表に社債取引とCDS取引の違いをまとめています。

項目社債取引CDS取引
取引方式空売りが難しいプロテクションの買いで空売りが実現できる
必要な資金元本に実際の現金が必要になるため、多額の資金が必要元本には実際の現金が投資されないため、少額資金から始められる
クレジットイベントの範囲クレジットイベント発生の認定範囲が狭いクレジットイベント発生時の認定範囲が広い

また、CDSはさまざまな信用リスクを移転できるのも大きな特長の1つです。

CDSのスプレッドについて

CDS取引においては、市場参加者はスプレッドを使って価格状態を判断します。

「スプレッド」は対象企業の信用リスクに対するプロテクションを購入するための対価であり、通常はベーシスポイント(bps)で表されます。

1bpsは0.01%であり、100bpsは1%です。

FXで用いられているスプレッドはpips表記になるため、CDSのスプレッドは別単位になります。

対象企業やインデックス構成銘柄の信用リスクが高ければ高いほど、スプレッドも大きくなるのが特長です。

CDSのスプレッドが現物債のスプレッドより大きい状態をポジティブ・ベーシスと言い、小さいことをネガティブ・ベーシスと言います。

CDSのスプレッド推移

CDSは債券の保険なので、債券が回収できないほどの損失を被った場合に、あらかじめCDSを金融機関から購入しておけば、CDSを売ってくれた金融機関が損失額分を補填してくれます。

つまり、債券の回収ができないような事態が起こりそうな状況のほど、CDSにはリスクが生じてしまうわけです。

一方、経済的に安定している場合はリスクが低下するため、スプレッドも下がります。

具体的にどんな状況の時にどれくらいスプレッドは広がったり狭くなったりするのでしょうか?

ここでは、各国のCDSのスプレッドの特徴や推移について紹介していきます。

日本のCDSのスプレッド

日本国債のCDSのスプレッドは2011年頃に140bpsでしたが、それ以降は下落傾向にあります。

2011年に日本国債のスプレッドが高くなっているのは欧州債務危機で世界的に金融マーケットが混乱したことが原因です。

2014年の6月には40 bpsに下落していますが、同年12月には60 bpsまで上昇しました。

その後は再び下落し、現在は20 bpsから30 bps程度で推移しています。

スプレッドの変動が大きいように感じるかもしれませんが、アジア主要国の中で見るとスプレッドの低さはトップクラスです。

それだけ日本が世界的に見て信用度の高い国と見られている証拠です。

アメリカのCDSのスプレッド

アメリカは経済大国ということもあり、他の国に比べるとCDSのスプレッドは安定して推移しています。

2011年~2019年にかけてCDSのスプレッドは20 bpsから50 bpsで推移しており、各国のCDSの中でも突出して安定しています。

中国のCDSのスプレッド

経済大国として成長した中国ですが、財政についての信用リスクはそこまで高くありません。

2011年にCDSのスプレッドは140 bpsで、2012年の12月に60 bpsまで下落しましたが、2013年6月には140pipsを記録しています。

上昇原因はバーナンキショックです。

それ以降も乱高下を繰り返しており、2013年に60 bpsを記録した後、2015年6月には130 bpsまで上昇しています。

このときの上昇原因はチャイナショックです。

経済大国と言われているものの、CDSで見ると中国の信頼度の低さが見えてきます。

CDSは国の信頼性がダイレクトに現れる指標です。

まとめ

CDSについて紹介してきましたが、CDSは投資の1つとして注目されています。

国別のスプレッド推移を見ても分かるように、国の財政状況や相対的に見た社会的信用リスクによってスプレッドは随分と変化します。

FXは国の通貨を利用して行う取引ですが、国債CDSは国の信用を利用して行う取引です。

当然、国のCDSは通貨の価値にも深く関わってくることになります。

CDSで取引するのも良いですが、FX取引で欠かせない通貨の変動を予想するために参考にするのも良いでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です