取引をしていると、指標発表時のスプレッドの広がりが気になる!という人も多いのではないでしょうか。
海外FX業者の多くは、原則固定のスプレッド制度を導入しています。
市場が安定していると低スプレッドで取引可能ですが、市場が活発になるとスプレッドは広がります。
スプレッドを変動させる要因の1つが、経済指標の発表です。
そこで今回は、経済指標の発表がもたらすスプレッドへの影響や、種類、対処法について解説します。
もくじ
指標発表前後にスプレッドが広がる理由
FX取引でスプレッドが広がりやすいのは、
- 相場急変時
- 取引量の低下
- 取引量の急増
の3つのタイミングになります。
この中で指標発表前後にスプレッドが広がる原因は、「取引量の急増」や「相場の急変」です。
取引が急増して相場が急変すると、レートは大きく動きます。
レートが飛ぶことも多く、1ドル110円の通貨が、一瞬で111円や109円になるかもしれません。
相場急変時はトレーダーから受けた注文のレートと、インターバンクに流して成立するレートが変わってしまう場合もあります。
業者はスリッページで対応しますが、何度もスリッページを起こすとトレーダーの信頼を失いかねません。
海外FX業者はスリッページの損失の一部をカバーすることになり、そこで発生する損失をスプレッドで回収します。
そのため、相場急変時はスプレッドが広がりやすくなります。
スプレッドに大きな影響を与える経済指標発表の種類
経済指標発表前後は、スプレッドが大きく広がります。
幸いなのは、テロ・自然災害・大手企業の倒産と違って、事前に指標発表のタイミングが分かっているので、スプレッドが広がるタイミングに備えられます。
そのため、通常は事象が発生してからスプレッドが広がりますが、経済指標発表については発表前からスプレッドが広がるのが特徴です。
スプレッドに影響を与える経済指標発表の種類は、
- 雇用統計
- FOMC
- GDP
- ISM
などがあります。
ここでは、各指標の特徴について紹介します。
米雇用統計
雇用統計にはいくつか種類がありますが、その中でも特にスプレッドへの影響が大きいのは、
- 非農業部門雇用者数(農業従事者以外の勤労者)
- 失業率(失業者数を労働人口で割った確率)
の2つです。
どちらに転んでもスプレッドは広がりますが、特に広がりやすいのは予想と反する結果が出た場合です。
例えば、多くのトレーダーが「失業率は前回よりも上がってドル安が進む」と予想して売りポジションを持っていたのに実際は失業率が前回よりも下がっていた、
「非農業部門雇用者数が前回よりも増えている」と予想して買いポジションを持っていたのに実際は前回よりも減っていたなどです。
予想と反した結果になると、リスクを減らすために指標発表後の注文は急増し、レートの動きも活発になってスプレッドの広がり方も大きくなります。
FOMC
FOMCは、アメリカの金融施策を決定する会合です。
日本の日銀金融政策決定会合と同じですが、1年間に8回開催されて景況判断や政策金利の調整が行なわれます。
FOMCの発表でスプレッドが大きく広がるのは、市場関係者の金利予想と実際の金利の動きに大きな乖離がある場合です。
一般的に金利が上がるとドル高・金利が下がるとドル安になりますが、FOMCが発表される前からだいたいの予想はつきます。
しかし、市場が0.5%の利下げを予想していたにも関わらず、実際に1.0%の利下げが行なわれるなど予想以上の結果が出ると市場は一時的に混乱し、レートの動きも大きくなってスプレッドも広がります。
GDP
GDPは、一定期間内においてモノやサービスの生産や提供によって生み出される付加価値を示す数値になります。
その国の経済規模を示す指標となり、マーケットにも大きな影響を与える指標です。
GDPは同じ時期に複数回発表されるのが特徴で、ドル圏やユーロ圏は各四半期ともに、速報値・改定値・確報値が3回発表されます。
この中で、スプレッドが特に広がりやすいのは最初に発表される速報値です。
ただし、速報値と改定値、速報値と確報値が大きく異なる場合も、スプレッドが急激に広がります。
ISM
ISMは、製造業景況感指数です。
全米供給管理協会が発表している指標で、300を超える製造業者に対してアンケートを行い、回答結果から指数を算出しています。
実際に企業の声や状態を反映した指標となるため、信頼度が高い指標として為替市場でも注目されています。
一般的に数値が50を超えていると景気拡大、50を下回っていると景気後退と判断します。
ISMも経済指標発表の予想が積極的に行なわれており、大きく予想と反した結果になるとスプレッドが急激に広がります。
指標発表前後に広がるスプレッドへの対処法
スプレッドが広がりやすい指標発表前後は、どのように対処したら良いのでしょうか。
事前に指標発表のタイミングは分かっているため、あえて取引に参加しないのも有効な対処法です。
一方で、ある程度の予想が出来ていれば大きな利益を狙うチャンスにもなります。
指標発表を狙ってのトレードなら、
- レバレッジの調整
- スリッページ幅の設定
- ゼロカットがありスプレッドの広がりに強い業者選び
を行うことで、広がるスプレッドに対処ができます。
レバレッジは小さく設定
経済指標発表前後は、レートが大きく動くタイミングです。
レバレッジを高く設定して取引量を増やすと、レートが飛んだときにロスカットのリスクが高まります。
当然、レバレッジを使って取引量を増やすとスプレッドの損失も増大します。
海外FXは100倍や1000倍のレバレッジが使えますが、大きなレバレッジは市場が安定している時に使いましょう。
指標発表前後であれば、レバレッジは数倍~数十倍以下に設定するのが望ましいです。
スリッページ幅の設定
指標発表前後はスリッページが原因でスプレッドが広がる場合もあります。
例えば、スプレッド0.01pipsで注文したのに、注文成立時に0.09pipsになっている場合もあるわけです。
スリッページでスプレッドが広がるのを防ぐためには、「スリッページの許容範囲の設定」が有効になります。
海外FXであれば、MT4やMT5などのプラットフォームを使ってトレードしますが、MT4やMT5のオプションメニューからトレーダー側で設定ができます。
許容スリッページを設定しておけば、注文時にスプレッドが広がるのを防げます。
ただし、許容スリッページを小さく設定すると、注文が通りにくくなるので注意しましょう。
ゼロカットがありスプレッドの広がりに強い業者選び
指標発表時のスプレッドの広がりで怖いのは、ロスカットが間に合わずに口座がマイナスになってしまうことです。
「海外FX業者はゼロカットがあるので追証もなく安心」といわれますが、すべての業者にゼロカットがあるわけではありません。
広がるスプレッドに対応するためにも、ゼロカットがある業者選びが必要になります。
その上で、
- 約定率が高くスリッページが少ない
- もともとのスプレッドが狭い
業者選びを行ないましょう。
一例を挙げるなら、GEMFOREXはゼロカットがあり約定率99%以上の海外FX業者です。
スプレッドも平均以下ですが、特にノースプレッド口座は取引手数料が無料で、ドル円のスプレッドが0.3pipsと、他の海外FX業者に比べてかなり狭くなっています。
指標発表時でスプレッドが広がっても、もともとのスプレッドが狭いため、そこまで負担はかかりません。
このような条件で取引ができれば指標発表時以外の相場の急変でも、少ない損失に抑えられるので安心です。
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